todojunの真理を追究する日々

日々考えていることなどを徒然と書いていきます。

 残念(長野知事選)

昨日、注目の長野知事選が行われ、3戦を目指した田中康夫氏が敗れ、元自民党国会議員で自民・公明の実質推薦を受けていた村井仁氏が当選しました。今日の全国紙朝刊でも大きく取り上げられるほど、全国的にもかなり注目された選挙でしたが、来年から長野に移り住む可能性もある僕にとってはまさに他人事ではない話です。で、この結果を受けての感想は、、正直なところ残念です。田中前知事は、無駄な公共事業などの余分な出費には相当なメスを入れていたようですが、新しい知事は経済が活性化するなら公的支出を増やして債務を増加させることも厭わない、という方針のようです。全国的にも危うい部類に入る長野県の財政はこれからどうなっていくのでしょうか。
今回当選した村井氏のオフィシャルウェブサイト(http://www.green.dti.ne.jp/muraijin/)を見てみましたが、氏の最たる主張は、「市町村に権限と責任を委譲し、県はそのサポートに回る」ということのようです。基礎自治体である市町村を強くし、将来の道州制への足掛かりにする、という方向性のようです。これを見る限りでは、田中知事とは別の方向性での改革を目指しているようです。これはこれで、うまくいけば先進的な試みとして高い価値と評価を与えられるでしょう。
ただ、財政問題には全く触れられていないのが非常に気になります。そもそも、借金を厭わず積極的に公共事業を行っていく方針らしいので、危機的な財政状況についてはあまり考えていないのかも知れないですね。普通に考えたら、優先順位としては、市町村の権限強化よりも財政健全化の方が先だと思うのですが。万が一、県が財政再建団体に陥ったら、権限も責任も多くが国の方にいってしまい住民サービスも低下してしまって、意味がない気がします(市町村単位でどの程度影響が出るのかはわかりませんが)。まずはプライマリーバランスの均衡を目指す、など、財政問題に関しての具体的な方向性を示してくれないことには安心できないでしょう。
もう一つ、非常に心配なのは、若者の長野県離れが進んでしまうこと。ざっとウェブ上を見渡した限りでも、今回の結果に対して財政状態の悪化を懸念し、「長野県もう出て行く」「長野県から出てよかった」という若者の意見が散見されました。はっきりいって、若者離れは地域にとって決定的な損失だと思っています。県の財政の補助を受けて育った若者が、社会人になって都会に出て行ってしまい、地域に財政的な貢献をしないのであれば、財政的な悪化は目に見えているし、経済的自立なんて夢のまた夢でしょう。財政状態が悪化すると、その負担を背負うことになるのは、労働者世代、今の若者ですから、逃げ出したくなるのは当然です。結局、財政悪化→若者離れ→財政悪化→若者離れ→…、という悪循環が続いていくことになってしまいます。
若者にとってどれだけ魅力的な地域となれるかが、今後の地方行政の大きな課題になってくるのではないか、と思います。そのためには、ある程度都会的な部分への変化も受け入れなければならないでしょう。企業誘致を積極的に行い、雇用を生み出すことも必要でしょう。教育では、地域問題についても積極的に扱い、未来の地域を支える有望な若者を育てていかなければなりません。もちろん、そういった熱意ある若者を支援していくことも大切です。僕も来年からは長野県の教育に携わる可能性があるので、そういったところは常に意識していたいです。
今回の結果には残念でしたが、もう決まってしまった以上仕方がないことです。新しい知事には、利権政治や談合政治を復活させないこと、財政健全化に向けての動きを止めないこと、を願うだけです。