todojunの真理を追究する日々

日々考えていることなどを徒然と書いていきます。

 個人情報保護法について

最近、読売新聞に「異議あり匿名社会」というコーナーができ、個人情報保護法の弊害について紙面のかなり大きな部分を使って取り上げています。よく見ると、「先生に年賀状が出せない」や「長寿番付上位の氏名がわからない可能性も」というような、本当にこれが大問題?と思えるような事柄が重大なことのように書かれています。今日の記事は、今までのものに比べると幾分中立的にはなってはいるものの、識者の意見で取り上げるものは、完全に「匿名社会を危惧する」方向に偏っています。はっきりいって、個人情報保護法により自社に不利益が生じる事に対し、ちょっとオブラートに包んで愚痴を言っているようにしか思えません。もっと論理的に両側面からの分析を行えばいいものを、一方の意見を読者のイメージに植え付ける「イメージ路線」できています。これはいかがなものでしょう。
個人情報保護法には、知る権利に対し、プライバシーの権利を優先させよう、という意図があるように思われます。それは、個人情報が頻繁に流出し、それを悪用するような人(業者)が多発していることと無関係ではないでしょう。実際僕自身も、大学1年のときのクラスで名簿を作ったところ、配った次の日にみんなのところに悪名高き某会社から勧誘電話が一斉にかかってきたという体験をしたことがあります。そして、つい先日教育実習生同士でメールアドレスを交換し名簿も作成したところ、その辺りから突然携帯電話に迷惑メールが大量に入ってくるようになりました(最近ずっとなかったのに、それ以来1日10通くらい届く)。この体験からしても、いつどこで情報流出が起こって悪用されてもおかしくないわけです。読売新聞のこのコーナーでは、その点を随分と軽視しているような気がします。
しかし、ホント的外れな内容が多いんですよねぇ。「先生に年賀状が出せない」なんて、本当に年賀状送りたければ住所くらい個人的に聞くだろーに、と思うし、「長寿番付上位の氏名がわからな」かったとして、一般の人々や社会の人々にどれだけの損害を与えると言えるのか、と思います。むしろ、公開したときの情報悪用の方を危惧すべきでしょう。
僕は今までこのコーナーを読んできて、あまりに一方的過ぎではないか、ということを投書にして送ろうかと考えたことまでありますが、もしかしたら既にかなりの数の批判意見がもう届いているかも知れません。今日の記事が今までより幾分中立的になったのは、そこに原因があるのかも知れません。しばらくこのコーナーには注目していこうと思います。