todojunの真理を追究する日々

日々考えていることなどを徒然と書いていきます。

 経済学2つの疑問

経済学は疑ってかからなければいけないということを昨日書きましたが、僕が経済学で感じた疑問のうち2つを取り上げてみたいと思います。


まずは、乗数効果についてです。一般的には、公共事業の有効性・正当性を示す1つの理論として用いられている乗数効果ですが、その論理にどうも納得がいかなかったのですね。単純に言えば、公共事業によりお金をくるくる回すことで景気浮揚効果が得られるということですが、お金をくるくる回すだけなら、失業手当でも変わらないように思えます。それを考えると、公共事業の本当の価値は、公共事業によってできたもの(や創造された価値)で評価されるべきだと思います。乗数効果を考えるということは、そこから焦点をずらし、必要以上の公共事業を行うことにつながってしまうような気がします。
これ以上の話は、より詳しく分析して下さっている方の文章を読む方がわかりやすいと思うので、紹介することにします。まずPALCOMさんは、公共事業についてとてもわかりやすく分析してくださっています。

公共事業を、「生活保護代替策としての公共事業」「景気対策としての公共事業」「社会インフラとしての公共事業」と分類し、最後の意味での公共事業を重視することが大切だと主張しています。まさにその通りだと思います。
続いて、はてなでもブログを書いていらっしゃる小島寛之さん(id:hiroyukikojima)の文章です。専門的な話も少し出てきているのでちょっと読むのが大変かも知れません。

ここら辺については、僕の中では相当大きなトピックなので、今後も取り上げていこうと思います。


さて、もう1点は、逆進税についてです。消費税のような比例税(一定割合で税金がかかる)は、経済学的には一般的に逆進税と呼ばれています。消費が少ない人ほど(これは所得が少ない人と高い相関がある)税負担感が大きいという意味らしいですが、その根拠はよくわからないです。絶対額としては消費が多い人の方が負担額が多いのだから、負担感というのはかなり感覚的なものであって、それを定義に用いるのは良くないと思います。第一、所得税のように所得が大きいほど税負担率が増えるような税を累進税と呼んで、比例税を逆進税と呼ぶのなら、累進でも逆進でもない中間の税というのがどのような税なのかわかりません。比例税を中間の税と考えることにして、それより累進性が高いのを累進税、逆進性が高いのを逆進税と呼んだらいいのではないでしょうか?
以前読んだマンキュー経済学(ミクロ編)には、消費税のことをきちんと比例税と書いていて、逆進性が高いとは全く書いていませんでした。これの方が非常にしっくり来るように僕には思えます。


経済学は本当に沢山の疑問を誘発する学問で、それだからこそ面白いとも言えます。今後も経済学について数理的に考えていけたらよいと考えています。