todojunの真理を追究する日々

日々考えていることなどを徒然と書いていきます。

 「国家の品格」(藤原正彦著)が200万部突破したらしい

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060511-00000077-jij-soci
今何かと話題の藤原正彦さんの著書「国家の品格 (新潮新書)」が、ベストセラーとなった「バカの壁」を超えるスピードで売り上げ部数が200万部に到達したとのことです。200万といったら、今じゃCDでも滅多な事では売り上げられない枚数であることを考えると、とてつもない数字ですね。新書ブーム&読書ブームの到来を感じさせます。これは個人的にとてもうれしいことです。
この2冊、僕は中古で買って持っています。どちらも、新品で買うほどのものではないと思いましたが、まぁ売れてるし、とりあえずどんな内容なのかな、という確認のために買ってみました。で、結局どちらもイマイチだったので、ところどころ読んだだけで放置していたのですが、最近本を整理したこともあって、「国家の品格」の方を改めてちょこっと読んでみました。
感想は、、やっぱりイマイチでした。というより、むしろ印象はマイナスですね。随筆家としてはなかなか面白いとは思いますが、それを評論という形にしたことで、ボロを露呈してしまった感じです。もちろん、ところどころには納得できる意見もあるのですが、はっきりいってツッコミどころが多すぎです。数学者としてそれなりに成功した方だから、頭もそれ相応のものを持っているとは思うのですが、それにしても経済や社会に対する認識・考察が浅すぎるのではないかと思いました(追記:考察が弱いというよりは、独善的で客観性に劣る、と言った方がよいかも知れません。そういう意味でも、評論としてでなくエッセイとして読んだ方がいいと思います)。僕が日頃から思うことに、数学(やそれに類するもの)に関しての頭の使い方と社会(やそれに類するもの)に関しての頭の使い方は全然違う、ということがあるのですが(そもそも、本当に純粋数学に没頭するなら、社会的な問題関心は頭から排除しなければならない)、まさにその通りのことを感じました。詳しい批判は、また後ほど別の記事で書くことにします。
ところで、「バカの壁」と「国家の品格」には共通点があります。それは、どちらも、形式上は評論のようですが、随筆的だということです。先ほど、藤原さんは随筆家としてはなかなか面白いと思う、と書きましたが、どちらの本も、随筆として(つまり、小説を読むような感覚で)読めばそれなりに楽しめるかも知れません。評論として(何かを学ぶつもりで)読むのはおすすめしません。